ユネスコ世界ジオパークにも認定され、日本海沿いの広大な風景から後立山連峰・妙高戸隠連山などの壮麗な姿まで、幅広い魅力に溢れる新潟県・糸魚川市。
山間に湧き出る秘湯や日本有数の漁獲高を誇るベニズワイガニなどの海産物、古代のロマンを感じさせる翡翠(ヒスイ)の産地などで知られていますが、実は不思議なスポットや神々しい景色や伝統、独特の色をしたご当地グルメなどが数多く存在することを知っていますか?
今回は、そんな糸魚川の不思議な魅力に溢れるスポットの中でも、「えちごトキめき鉄道 日本海ひすいライン サイクルトレイン」と「久比岐自転車道」を使って巡る海沿いのスポットを中心に紹介します。
●「久比岐自転車道」
新潟県・糸魚川市から上越市を結ぶ全長約32kmのサイクリングロード。旧国鉄・北陸本線の線路跡地に作られ、8つ残る当時のトンネルの中を自転車で爽快に走り抜けることができます。コースは日本海に沿って走り、晴れた日には佐渡島や能登半島を遠望でき、夕景が美しいスポットが点在します。
●「えちごトキめき鉄道 日本海ひすいライン サイクルトレイン」
えちごトキめき鉄道 日本海ひすいラインの直江津駅〜市振駅間(筒石駅・浦本駅では利用不可)を走行する列車には、自転車をそのまま積み込むことが可能(上り:直江津駅9時45分〜14時25分に出発する列車、下り:市振駅9時29分〜15時6分に出発する列車)。
※12月1日〜4月19日はサイクルトレインの利用はできません
糸魚川の不思議な魅力①/シルクロードの石窟内に佇む仏像を想見する「谷村美術館」
えちごトキめき鉄道 日本海ひすいラインの糸魚川駅から約2km、えちご押上ひすい海岸駅から約1kmの場所にある「谷村美術館」。瓦屋根の壁に囲まれた敷地内に一歩踏み込んだ先に広がる建造物はまるでシルクロードの砂漠に立つ石窟のようです。
昭和の著名な建築家であった村野藤吾によって設計された建物の中には、彫刻家の澤田政廣による仏像十点が展示され、荘厳な雰囲気に包まれます。隣接する「玉翠園」では造園家の中根金作による日本庭園を眺めなら休憩することもできます。
住所:新潟県糸魚川市京ケ峰2-1-13
電話:025-552-9277
開園時間:9時~16時30分(16時受付終了)
休園日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
入園料:500円(大人)、300円(高校生以下)
糸魚川の不思議な魅力②/久比岐自転車道を走り、日本海に孤立する「電柱島」に出会う
えちごトキめき鉄道 日本海ひすいラインの名立駅から走り始め、久比岐自転車道を糸魚川方面に約4km走った場所から海を眺めると、波の中にポツンっと電柱が立っている不思議な光景に出会えます。
「電柱島」と呼ばれるこの場所は、かつて堤防があり、そこに立っていた電柱のみが海の中に残されたスポットです(国道8号選を横断して砂浜まで下りる場合は筒石漁港近くの横断歩道を利用しましょう)。
糸魚川の不思議な魅力③/日本海を望む茅葺屋根の「白山神社」に継承される舞楽
えちごトキめき鉄道 日本海ひすいラインの能生(のう)駅から約1.5km、久比岐自転車道の白山トンネル西側の出口すぐの場所に建つ「白山神社(能生白山神社)」。
1515年に建造され、室町時代当時の特色を残す本殿は国の重要文化財にも指定され、重厚な杮葺(こけらぶき)の屋根は一見の価値があります。
毎年4月24日には国の重要無形民俗文化財にも指定されている能生白山神社春季大祭が行われ、地元の子ども(稚児)や頭に動物の赤熊毛をつけて手に中啓(扇)を持ちながら夕日を浴びて舞う舞楽が奉納されます。
糸魚川の不思議な魅力④/地下約40mのトンネル内にホームがある珍風景「筒石駅」
えちごトキめき鉄道 日本海ひすいラインの「筒石駅」は、地下約40mのトンネル内にプラットフォームがあるという摩訶不思議な駅(サイクルトレインは利用できません)。
下りホームまでは290段、上りホームまでは280段の階段を降りていき、扉を開けた先に広がる異空間。日本でも数カ所しかないトンネル駅の一つであるこの駅をサイクリングで訪れる場合、久比岐自転車道から800mほど上り道を走り、さらに見学する場合も入場券を購入が必要です。
糸魚川の不思議な魅力⑤/黒と灰色のご当地グルメ「糸魚川ブラック焼きそば」と「セメントラーメン」
糸魚川を訪れたのなら、ベニズワイガニやメギスなどの豊富な海産物だけでなく、新潟県産のイカとイカ墨を使った「糸魚川ブラック焼きそば」もオススメ! 市内のレストランや居酒屋で食べることができ、黒い麺の上に卵をのせたものから、モッツァレラチーズをのせてピザ釜で焼き上げたものまで、各店オリジナルの味を楽しむことができます。
さらに、良質な石灰岩を産出する糸魚川にある明星セメント株式会社と、地元の人気中華料理店「月徳飯店」とのコラボレーションで誕生した、その名も「セメントラーメン」も注目のご当地グルメ。豚骨白湯に丼の底に貯まるほど大量の煮干しの粉末によってセメント色したスープが特徴。月徳飯店のメニューには掲載されていませんが、注文すれば作ってくれる隠れメニューです!