【自転車でお城めぐり】沖縄/琉球王国ゆかりの南城市で地域文化の精神性が宿るグスクを訪ねる

ジテンシャ旅
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琉球民族発祥の地と言われる南城市は、琉球王国の祖である尚思紹・巴志ゆかりの地であり、多くの城(グスク)跡が残る歴史深いスポットです。沖縄旅行の拠点にする人も多い那覇市から南東に距離15kmほどの場所に位置するので、クルマなどで自転車を運び、絶景の中をサイクリングしながらグスクをめぐる休日なんていかがですか?
(参考:南城市の観光ポータルサイト「らしいね南城市」

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有名な観光地はない、知る人ぞ知る神聖なスポットが点在する南城市

沖縄のグスクは軍事拠点としてだけでなく、その内部に信仰の聖地である“御嶽(うたき)”を置き、今なお琉球の精神性を触れることのできる神聖な場所です。2千円札にも描かれている守礼門がある首里(しゅり)城跡や、優美な石垣が残る今帰仁(なきじん)城跡、勝連(かつれん)城跡などは、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として、日本国内で11番目となる世界遺産に指定されました。しかし沖縄各地にはこの世界遺産に指定された以外にも多くのグスク跡が点在します。とくに本島南部の南城市には、グスクロードという名の通りも整備されるなど数多くの魅力的なグスク跡が残り、今なお息づく琉球文化を感じながら歴史ツーリングを楽しめます。

世界遺産に登録された那覇にある「首里城跡」。現在、復元・復興中(火災前の写真)

首里城 · 〒903-0815 沖縄県那覇市首里金城町1−2
★★★★☆ · 城

アップダウンの多いグスクめぐりルート。高台から見る沖縄の海は絶景です!

今回紹介するコースは、南城市の中央部にある“ユインチホテル南城”(南城市佐敷字新里1688)をスタート&ゴールでめぐる距離約40km。軍事拠点としてのグスクという性格上そのほとんどが高台に位置するため、途中にはアップダウンが連続する場所もあり走り応え十分ですが、ホテルには沖縄では珍しい日帰り温泉も楽しめる“猿人の湯”も併設されているので、ゴール後にゆっくり疲れを癒すのもオススメです。

ユインチホテル南城から走り始め、正面に南城市役所を見ながら左手に進み、県道137号線にぶつかる手前の陸橋から自転車道を走っていきます。道は県道86号線(ニライカナイへの道)に合流し、しばらく走ってトンネルを抜けた先に広がるのが、沖縄本島屈指の絶景ポイント“ニライカナイ橋”です!

ニライ橋・カナイ橋 · 〒901-1513 沖縄県南城市知念吉富
★★★★☆ · 橋

琉球を統一した尚巴志の居城“佐敷上グスク”

ニライカナイ橋を下ると道は国道331号線にぶつかるので左折。少し走ると世界遺産にも登録されている琉球王国最高の聖地とされる斎場御嶽(せーふぁうたき)の駐車場を通過。さらに国道331号線を進み、左手に見える佐敷小学校の手前の鳥居が立つ道を左折すると“佐敷上グスク”に到着します。
中城湾や勝連半島を一望できる高台にある“佐敷上グスク”は、琉球を統一した尚巴志(しょうはし)とその父である尚思招(しょうししょう)の居城。城壁などは見ることはできず、尚氏一族を祭る月代宮(つきしろのみや)が建立されています。

佐敷上グスク(佐敷城跡) · 〒901-1403 沖縄県南城市佐敷116
★★★★☆ · 城

鬱蒼とした森の中に出現する“垣花グスク”

国道331号線に戻ってさらに進み、「新里」交差点のT字路を左折。県道137号線を上っていき、「親慶原(おやけばる)」交差点を左手方向へ。道なりに進んでいき、「垣花樋川(かきのはなひーじゃー)」の看板を左折する正面に見える鬱蒼とした森が“垣花グスク”跡です。生い茂る木々の間を抜けるように進むと自然のままの琉球石灰岩を野積みにした城壁が残り、御嶽(うたき)には地域住民からのお供え物が置かれるなど、その「飾らない」雰囲気がより一層迫力のある景色として私たちに迫ってきます。

垣花城跡 · 〒901-0601 沖縄県南城市玉城仲村渠
★★★★☆ · 史跡

琉球石灰岩を使った美しい石垣が残る“糸数グスク”

県道137号線をさらに進み、「沖縄県立 玉城少年自然の家」へ右折900mの看板が出てきた先を右折して「グスクロード」へ。しばらく進むと左手に“玉グスク”跡に到着。さらにグスクロードを進んでいきます。
道は「島尻消防組合消防本部」を通過し、さらに進んでT字路にぶつかって左折してすぐの左手に上っていく小道を走ると出現するのが、沖縄本島南部最大級の“糸数グスク”跡。琉球石灰岩を使った美しい石垣が残り、高台からは沖縄の海を望むことができます。

糸数城跡(国指定史跡) · 〒901-0606 沖縄県南城市玉城糸数
★★★★☆ · 史跡

高台に湧き出る井戸も残る“島添大里グスク”

グスクロードから“糸数グスク”へは、左折したT字路を右折方向に進み、県道86号線(南風原知念線)を左折。“大城城跡”へ右折の看板のある信号機設置の交差点を右折して道なりに進んでいき、「西原入口」バス停を過ぎてすぐに合流する島添上方通りを右折して、さらに上っていきます。
少しすると左手に見える「大里城趾公園」の看板に従って上り道を進むと到着するのが“島添大里グスク”。標高約150メートルの琉球石灰岩の丘陵台地に築かれた自然の地形を利用した、沖縄県内でも有数の規模を誇るグスク跡です。

島添大里グスク · 〒901-1202 沖縄県南城市大里大里574
★★★★☆ · 城

琉球石灰岩の岩盤を削って作られた43段の階段を8mほど下りると見える、かつての共同井戸“チチンガー”なども残っています。

島添上方通りまで戻り、左折してすぐの道を右折してしばらく進んで「ユインチホテル南城」でゴールとなります。南城市には他にも魅力的なグスクなどが点在するので、今回紹介した場所以外の歴史スポットをめぐるのも楽しいですよ♪

サイクリング+散策ウォークに最適! Giro DEED

本格的なオフロードライドからサイクリング、自転車散歩まで使いやすいフラットペダルシューズ。独自開発のソールはビンディングなしでもペダルとの密着性を高め、ペダルの踏み込みやすさ抜群。また細かな振動を吸収してくれるので、サイクリング時に足が疲れにくい点も魅力。さらにシューズ全体が適度にしなるため、自転車から降りて城めぐりなどの散策を楽しむのにも最適です。

「Giro DEED」
SPEC
重量:390g(サイズ: 43)
サイズ:39〜43
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星野 知大

自転車・ランニング・水泳を中心に、日本&世界の“前に進む”スポーツの大会プロデュース・MCとして飛び回るスポーツ&自転車地理ジャーナリスト。日本・海外のスポーツメーカー・自治体と関係があり、インバウンド・アウトバウンド(視察含む)の両方向への企画立案・アドバイスも行う。過去には「美ら島オキナワ センチュリーラン戦略プロデューサー」「東京都三宅島ふるさと観光アドバイザー」を務めた。現在は「東京都観光まちづくりアドバイザー」としても活動。

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