走り始めた場所に再びゴールすることで走り切った達成感を強く味わえる「一周」コース。クルマや電車でスタート地点に行き、また同じ場所に戻ってくるので、自転車で走る最中には必要のない着替えなどを持たずに、身軽にサイクリングやロングライドを楽しめる点も魅力です。
半島や湖、湾などを一周する絶好のコースが日本各地に多く存在しますが、今回は絶景に加えて、地元グルメも満喫できるオススメな「一周」7コースを紹介します!
日本一の周長249.5kmを誇る“霞ヶ浦”で、旬のフルーツやスイーツを楽しもう!
ご存じでしたか?
日本で最も面積が広い湖は滋賀県の“琵琶湖”(669.26km2)ですが、周囲の長さで比べると琵琶湖が235.2kmに対して、茨城県の“霞ヶ浦”(西浦・北浦・外浪逆浦・常陸利根川)が249.5kmで日本一の長さを誇ることを!
最も大きい西浦だけ一周しても約130km。アップダウンも少なく、サイクリングコース「つくば霞ヶ浦りんりんロード」も整備されているので、長距離サイクリングデビューするのにオススメのスポットです。
「つくば霞ヶ浦りんりんロード」は西浦から筑波山方面と北浦方面にも続いているので、さらに長い200kmを超す本格ロングライドに挑戦したい人にも最適なルートです。
また、湖周辺はブドウ・梨・栗・柿・メロン・スイカ、(驚くほど甘い!)サツマイモなどの産地で、収穫体験などができる施設も点在します。さらに「道の駅たまつくり」では、旬の食材を使ったスイーツなども食べることができます。
日本一の“富士山”の麓を360度グルっと味わい尽くす本格一周ルート
日本一の富士山は、一周する間にさまざまな形となり、さらに、湖越しの逆さ富士や樹海の森から見上げる山頂など、様々な姿を楽しむことができます。
富士山一周のコース設定のポイントは、距離を短くするため小回りしようとするとキツい上り坂が多くなるので、初めて挑戦する人は少し大回りにコースを取るのがいいでしょう。
湖越しの絶景を楽しめる富士五湖から走り始め、朝霧高原から国道469号線を走って富士五湖まで戻る、上りと距離のバランスが取れた距離150km程度のルートを取ることができます。
一周した後のおすすめグルメは、名物の麺類!富士吉田市を中心に食べられている「吉田うどん」やB級グルメとして有名な「富士宮やきそば」、山梨県の郷土料理である「ほうとう」など、富士の美味しい水から作られた絶品麺が勢揃いしているので、脚力だけでなく、胃袋にも自信があれば、一周の途中で食べ歩きも楽しいかも!?
ロングライドデビューにも最適な東京のサイクルアイランド“伊豆大島”
日本ジオパーク(地球活動の遺産を見どころとする大地の公園)にも制定され、東京とは思えない大自然の魅力に溢れる“伊豆大島”。「大島一周道路」を使うと一周で距離約47km。アップダウンはありますが、一周途中にほとんど信号もなく、ビギナーでも快適に走りやすいルートが続きます。また、島の中央に位置する三原山山頂口まで三本のヒルクライムルートもあるので、一周ルートにヒルクライムを組み合わせれば、本格的な長距離サイクリングも楽しむことができます。
島のグルメは様々ありますが、島唐辛子がピリ辛味の「島醤油」に、その時季に旬の白身魚を漬けて作られる「べっこう寿司」はとくにオススメです。べっこう色になった魚の切り身はトロっとした食感になり、ピリッとした辛味が運動後のペコペコのお腹をさらに刺激します!
天竜浜名湖鉄道沿いの名物駅舎&ユニークトイレ巡りも楽しい“浜名湖”
静岡県西部に位置する周囲長114kmの浜名湖は、「浜名湖周遊自転車道」が整備されているので、快適に走りやすい一周ルートです。また浜名湖と言えばウナギ養殖、さらに湖北西部の三ヶ日はみかんの産地としても全国に知られ、グルメライドを楽しむこともできます。
また湖南岸では海へと続く広々とした景色から、湖北岸付近では湖畔から離れて奥浜名の山側を走るアップダウンルートまで、様々な絶景にも出会えます。
さらに、湖南西から北東方面に走る天竜浜名湖鉄道には、うなぎ丼などが食べられる食事処(新所原駅)や手作りパンを味わえるベーカリー(都筑駅)などが併設されたオモシロ駅舎、名産のうなぎ(尾奈駅)やみかん(東都筑駅)の形に作られたトイレなどユニークな立ち寄りスポットが点在するので、これらのスポットを巡るサイクリングもオススメです。
サイクリストの聖地“琵琶湖”一周=ビワイチで歴史と絶景を堪能!
日本一の大きさを誇る“琵琶湖”を一周するルートは、「ビワイチ」の通称で呼ばれるサイクリストの間では人気のロングライドコースです。琵琶湖は大きな面積が広がる“北湖”と琵琶湖大橋の南側の“南湖”に分かれ、一周すると距離約200km。北湖のみの一周ルートでは、距離約160kmとなります。
湖を一周するように電車も走っているので、途中で引き返しやすく、1日で走り切る自信がなければ、自分のペースで2~3回に分けて一周に挑戦することもできます。また、周辺には比叡山や名城として名高い彦根城などのスポットも点在するので、途中で寄り道しながら歴史散策ライドを楽しむのもオススメです。
さらに湖南東地域は三大和牛の一つ「近江牛」の産地としても知られているので、ゴール後にガッツリお肉を食べるプランなんていかがでしょうか?
本州&四国からのアクセス抜群!日帰りチャレンジも可能な“淡路島”
兵庫県の淡路島は、明石海峡大橋で本州と結ばれ、さらに明石市と島北部の岩屋港との間は高速船が運航されているのでアクセス抜群。高速船には自転車をバラさずにそのまま載せることができるので、とくに関西圏のサイクリストに人気の一周コースです。
海沿いに島を一周すると距離約156km。本格的に走っている人ならば1日で走り切ることもできますが、途中で地元特産の玉ねぎ、淡路牛などを使ったメニューや海産物を味わいながら1泊2日で楽しむのもおすすめです。
夏だけじゃない! オールシーズン楽しめる“沖縄本島”一周旅プラン
南国・沖縄といえば夏をイメージする人が多いと思いますが、自転車で楽しむなら秋~春が快適なシーズンなんです。夏に比べて日差しも柔らかくなり、1・2月の平均気温でも17~18℃なので、1年の走り始めに訪れるのにも最適です。
沖縄本島を一周すると距離300kmを超えます。1日100km以上走っても3日かかるので、途中で宿泊しながらの自転車旅を楽しむのがオススメです。一周の途中で立ち寄りたい絶景ポイントが、「古宇利大橋」と「ニライカナイ橋」の2つの橋。名護市のさらに北にある奥我地島と古宇利島をつなぐ古宇利大橋の両側には青い海が広がり、空と海の境を走っているような気分を味わえます。また、本島南部の南城市にあるニライカナイ橋(写真)は、青い海を見渡す高台から一気に下っていく日本屈指の絶景ルートです。
また、様々な沖縄グルメの中でも、金武町(きんちょう)周辺で食べてほしいメニューが、メキシコ風アメリカ料理タコスと日本の米食がチャンプルー(混ざった)されて誕生した“タコライス”。沖縄各地だけでなく日本全国の沖縄料理店などでも食べることのできるメニューですが、発祥地である金武町ではライスの上にひき肉(タコミート)、レタス、トマト、チーズなどが盛り付けられたボリューム満点な一皿を食べることができます!