ここが東京!? 海に湧く秘湯を満喫できる式根島で【電動アシスト自転車】散歩旅

ジテンシャ旅
ジテンシャ旅

太平洋に浮かぶ周囲約12kmの島。
コバルトブルーの海とリアス式海岸。
信号は1つだけ。
建物の多くは森の木々よりも低く、晴れた夜には人工の光に邪魔されずに満天の星空が広がる。
海中から湯が湧き出し、海岸の岩場には天然の温泉スポットが点在する−−

こんな場所、どこにあると思いますか?

じつは東京にあるんです!
東京都式根島。東京湾の竹芝桟橋から東海汽船の高速ジェット船を使えば約3時間で行くことができ、1泊2日でサイクリングやハイキング、温泉巡りなどを楽しむことができます!!
今回は島の魅力を5つ紹介します。

魅力① 電動アシスト自転車で【島グルメ】のお弁当を持って温泉&絶景へ!

式根島は大きく一周サイクリングしても距離約10km、アップダウンも比較的少ないので、島内の移動手段として自転車を活用することがオススメです。
レンタルサイクルを用意しているお店も多く、子乗せバスケットが装着された自転車や電動アシスト自転車もあるので、誰でも気軽に自転車散歩を楽しむことができます。

自転車散歩のお供にオススメなのが、島グルメを楽しめるお弁当。新鮮なお魚の“漬け丼”は美味!「おくやま」「池村商店」の2店で販売されていますので、食べ比べしてみては?

さらに「ファミリーストアみやとら」で販売されている名物の明日葉の佃煮やくさやなどをご飯と魚のつみれ(たたき)で包んで揚げた“たたき丸”は、おにぎり感覚で食べることのできる島ならではのグルメです!

魅力② 24時間無料!! お湯加減は海の干潮次第!夜空を眺めながらの【秘湯】も格別です

東京都の伊豆諸島の島々には多く温泉がありますが、海の中から自噴し、海水の満ち引きによって温度が調整されるダイナミックな露天温泉を満喫できるのは式根島だけ! 野伏港近くの観光協会や宿の人に適温のタイミングを聞いてから行くようにしましょう(水着着用。清掃や設備の整備などによって入浴が中止されている場合もあります)。
今回紹介する3カ所の露天温泉は、すべて無料で24時間オープン。星空を眺め、海の音に癒されながら温泉に入ることもオススメです。

地鉈温泉

大地を鉈で割ったような鋭い谷を下った先に出現する硫化鉄泉。源泉の温度は80℃! 神経痛や冷え性に効果があることから、別名“内科の湯”‘(!?)とも言われているそうです。

足付温泉

昔、足に傷を負ったアシカが入ったという言い伝えが残る温泉。無色透明で、切り傷や擦り傷に効果があることから、別名“外科の湯”とも言われているそうです。近くに綺麗な更衣室・シャワー・トイレもあります。

松が下雅湯

この温泉のみ潮の満ち引きに関係なく、いつでも適温で入ることのできる露天風呂。地鉈温泉と同じ硫化鉄泉。更衣室、足湯もあるので、サイクリングの途中にも立ち寄りやすいスポットです。

魅力③ コバルトブルーの海でシュノーケリングも最高!生き物観察も楽しめます

流紋岩(火山岩)によって作られた美しい白い海岸が続く泊海水浴場、海底から温泉が自噴しているスポットもある大浦海水浴場、珊瑚の間を小魚が泳ぐ姿を見ることのできる中の浦海水浴場など、様々な魅力を持つスポットがあります。
サイクリングで海水浴場まで行き、シュノーケリングを楽しんでから無料の露天風呂に入る、なんていうプランも最高です。
シュノーケリングや海水浴を楽しめるシーズンは7月〜9月中旬ごろまで。秋〜春は自転車から降りて、貝殻や流木、ガラス片などの漂着物を探しながら砂浜を歩くビーチコーミングをしてのんびりするのもオススメです。

泊海水浴場

大浦海水浴場

中の浦海水浴場

魅力④ サイクリング+ハイキングで目指す!世界的にも珍しい【絶景】ポイント

島の西部には遊歩道が整備され、途中には絶景スポットが点在します(遊歩道は自転車走行不可)。オススメは神引展望台近くの遊歩道入口(トイレも完備)に自転車を停めてハイキングを楽しむコースです。

神引展望台

遊歩道入口から続く階段を登り切った先にある島を代表する絶景スポット。神引展望台に行く手前、遊歩道が崖沿いの柵にぶつかった場所から柵沿いに少し右手に進むと、眼下にコバルトブルーの海とリアス式海岸が織りなすカンビキ湾の絶景を望むことができます(カンビキ湾まで下りることはできません)。また、神引展望台周辺では夜になれば新島の光と星空を眺めることができます。

唐人津城(トウジンヅシロ)

遊歩道入口の駐車スペースを正面に見て左側の階段に入り、森の中をしばらく歩くと木々が開けたスペースが出てきます。そこから少し右手の道に入ると広々としたウッドデッキが出現。

その先に一面岩場の荒涼とした景色が続くスポットが唐人津城です。城と言っても城跡ではなく、島の昔言葉で「人や魚が集まる所」という意味で、この先の海は絶好の漁場とのことです。

御釜湾

遊歩道をさらに進むと御釜湾を望む第一展望台まで到着します。この御釜湾の海中にも温泉が湧き出し、岩壁沿いには温泉もあるそうですが、船をチャーターしなければ行くことができない秘湯中の秘湯が存在します。また、近年、CO2シープ(海洋酸性化の脅威)の調査区域として学術的にも注目の場所で、人が住む近くにCO2シープが見つかったことは世界的にも珍しく、重要なポイントとのことです。
第一展望台から右手に進むと第二・第三展望台へと続きますが、自転車を停めた遊歩道入口には左の道を進んで戻ります。

魅力⑤ 島の魅力を味わえる4つの宿タイプ。地元の人の笑顔が迎えてくれます

島での宿泊は、地元のお宅にお邪魔するような気さくな雰囲気が魅力の“島宿”、ある程度の大人数でも宿泊できる“旅館”、東京にいながら南国リゾート気分を味わいたい人にオススメな“プチホテル”、快適&豪華にキャンプを楽しめる“グランピング“の4タイプがあります。

今回ペダステ編集部は、全室エアコンが完備された【凪グランピング】に宿泊しました!

東京・三軒茶屋で人気のレストランを経営していたオーナーの前田安彦さんが作る料理は絶品! 新鮮な魚や名産の明日葉を使ったクロケット(コロッケ)など、目の前の厨房から出来立ての料理を味わうことができます。

東京湾から約3時間の船旅と電動アシスト自転車を使った秘湯巡りを楽しめる式根島で、冒険気分を味わえる休日を過ごすのはいかがですか?

星野 知大

自転車・ランニング・水泳を中心に、日本&世界の“前に進む”スポーツの大会プロデュース・MCとして飛び回るスポーツ&自転車地理ジャーナリスト。日本・海外のスポーツメーカー・自治体と関係があり、インバウンド・アウトバウンド(視察含む)の両方向への企画立案・アドバイスも行う。過去には「美ら島オキナワ センチュリーラン戦略プロデューサー」「東京都三宅島ふるさと観光アドバイザー」を務めた。現在は「東京都観光まちづくりアドバイザー」としても活動。

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