自転車店やサイクルモードの会場で、「質問したいけど、専門用語が分からない…」と二の足を踏んでしまった経験がある人も多いかもしれません。
でも、もう安心!
ほんの少し、パーツの名称や特別な言い方を覚えてしまえば、簡単に質問内容を伝えることができます。そんな「コレを知っていると便利」なスポーツバイク各部の名前を紹介します。
小川 純 さん
「ワイズロード池袋チャーリー」店長を務める小川さん。自身もベルギーのサイクルイベントに参加経験もあるホビーサイクリストで、初心者から上級者まで分かりやすいアドバイスに定評があります。
日本最大級のスポーツサイクル専門店「ワイズロード」
東京・埼玉・千葉・神奈川・栃木・宮城・愛知・大阪・兵庫・京都・愛媛・愛媛・福岡に35店舗を展開する日本最大級のスポーツサイクル専門店。なかでも「池袋チャーリー」は完成車からバイクフレーム、カスタム用パーツまで幅広い商品が所狭しと並び、年末年始も無休で営業する人気店。
ワイズロード池袋チャーリー
東京都豊島区東池袋1-43-6 D-BOXビル2F
03-3983-8694
営業時間:10時〜20時(定休日なし)
自転車フレーム各部分(パイプ)の名称
ヘッド
トップチューブとダウンチューブをつなぐ、自転車フレームの中でいちばん前側部分。ヘッドマークは、この部分に付けるブランドなどのマークのこと。
トップチューブ
自転車フレームのいちばん上のパイプ。トップチューブの長さはスポーツ自転車のサイズを知る目安のひとつ。
シートチューブ
駆動部につながるBBとサドル・シートポストをつなぐ部分。シートチューブの長さはスポーツ自転車のサイズを知る目安のひとつ。
ダウンチューブ
自転車フレームの下側を支えるパイプ。フレームの中で、トップチューブ・シートチューブ・ダウンチューブ部分を前三角と呼ぶこともあります。
BB(ボトムブラケット)
先端にペダルが装着される左右のクランクをつなぐシャフトが中心を貫通し、シャフトの回転を受けるパーツ。幅や装着法の違いで様々な種類があり、メンテナンスには専用工具が必要です。
シートポスト
先端にサドルを装着し、シートチューブに差し込むことでサドルの高さを調整できるパーツ。フーレムと一体型になったインテグラルシートポストという種類もあります。
シートクランプ
シートポストをシートチューブに固定するパーツ。とくにカーボンフレームの場合、適したトルク(強さ)で固定することが重要です。トップチューブ・シートチューブ・シートステイの結合部分付近にあることが多いですが、インテグラルシートポストではサドルに近くに位置する場合もあります(写真の線は通常シートクランプがある位置を示しています)。
シートステイ
シートポスト上部とリアホイールが装着されるリアエンド部分をつなぐパイプ。トライアスロンバイクの中には、軽量化・空気抵抗軽減を狙ってシートステイがないフレームもあります。
リアエンド
自転車フレームのいちばん後側にあり、リアホイール(後輪)が装着される部分。左右のリアエンドの幅はロードバイクで130mm(ディスクブレーキやスルーアクスルモデルには135mm・142mmモデルもあります)、クロスバイクで130mm・132.5mm・135mm、MTBで135mm、142mm、148mm(スルーアクスル)と様々な種類があります。
チェーンステイ
BBとリアエンドをつなぐ部分。チェーンステイを長く設計をされたフレームは直進走行が安定しやすくなる特徴があります。
フォーク
自転車本体と前輪をつなぐ部分。フォークから伸びるステアリングコラム(操作管)がヘッド内を貫通して先端にステム・ハンドルが装着され、ハンドルを操作することでフォーク、前輪が左右に動き進行方向を変えることができます。
フレームに装着されるパーツ類の名称
ハンドル・バーテープ
ブレーキ&シフトレバーが装着されるパーツ。ロードバイクなどに使用される左右曲がった形状のドロップハンドルには握り心地が良くなるバーテープを巻いて使用します。またクロスバイクやMTBに多く使用される棒形状のハンドルはフラットバーと呼ばれます。
ステム
ハンドルとフォークのステアリングコラムをつなぐパーツ。さまざまな角度や長さがあり、ハンドルの高さやサドルからの距離を調整することができます。
ブレーキ&シフトレバー
ロードバイクなどに採用されているドロップハンドルに装着されているブレーキレバーの多くは、ギヤを変速するシフトレバーも同時に兼ねる構造となっています。クロスバイク・MTBに採用されているタイプでは一部シフトレバーとブレーキレバーが別になったものもありますが、ハンドルから手を放さずに操作できる点は変わりません。
ブレーキ
自転車を減速・停車させるための重要なパーツ。おもにホイールのリム部分にゴムパッドを当てて減速するリムブレーキと、ホイール中央部に装着された鉄製のディスクローターをブレーキパッド(樹脂製もしくは金属製)を当てて減速するディスブレーキ(写真)があります。最近ではロードバイクにもディスクブレーキを採用したモデルが増えています。
ホイール
前後の車輪のこと。外側のリムにタイヤとチューブを装着するクリンチャー、チューブを入れずに使用するチューブレス(チューブレスレディ)、接着剤でタイヤを付けるチューブラーがあり、それぞれ専用のホイールが必要です。
タイヤ
地面と接するパーツ。クリンチャー・チューブレス・チューブレスレディ・チューブラーそれぞれ専用タイヤがあります。様々な太さのアイテムが販売されていますが、フレーム形状によっては太いタイヤは装着できない場合もあるので注意しましょう。
サドル
ライダーが座る部分で、快適性に直結するパーツです。坐骨幅のサイズに合わせて複数のサイズがラインナップされているモデルもあり、女性ライダーの使いやすさを追求して設計されたものもあります。
スプロケット
後輪の中心部分に装着され、ペダル→クランク→チェーンと伝わった力を後輪に伝える歯車。歯の数は“◯T”で示され、○部分の数字が大きい(大きいギヤ)ほど軽い力で漕げることを意味します。
チェーン
ペダルを踏んでクランク・チェーンリングを回転させた力を後輪へと伝えるパーツ。金属製が中心ですが、クロスバイクなどの中にはアラミド繊維やガラス繊維などの素材で強度を高めた素材を使ったベルトドライブを採用したモデルもあります。
チェーンリング・クランク
自転車フレームのBB部分に装着されるパーツ。円形のチェーンリングについたギザギザ(歯)にチェーンが引っかかり、棒状のクランク先端にはペダルを装着して使用します。チェーンリングの歯の数は“◯T”で示され、○部分の数字が小さい(小さいギヤ)ほど軽い力で漕げることを意味します。
ディレーラー
進行方向に向かって左右に動き、スプロケット・チェーンリングの各歯にチェーンを動かす機構を備えた変速機(写真は後ろの変速機)。前側のチェーンリングにチェーンがかかる位置を変速するフロントディレーラーと、スプロケットにかかる位置を変速するリアディレーラーがあり、フロントシングルと呼ばれるモデルは、フロントのディレラーがなく、リアの変速機構のみが装備されています。
ペダル
クランクの先端に装着し、足で踏み込むことで自転車を前進させるパーツ。シューズがペダルに固定されることで効率よくペダルを回転できるようになるタイプには専用アイテムが必要で、ビンディングシューズ・ビンディングペダルと呼ばれます。
リア(後ろ)ディレーラー各部の名称
アジャスター
回転させることでワイヤーのテンション(張り)を変えることができ、ディレーラーの動きを微調整できるパーツ。
ガイドプーリー
ディレーラーに二つ付く小さなギヤのうちチェーンを変速させる機能を果たす上側のギヤ。スプロケットとガイドプーリーの間隔を調整するためには、ディレーラーに付いたボルトを使って調整します。
テンションプーリー
ディレーラーに二つ付く小さなギヤのうちチェーンのテンション(張り)を調整する下側のギヤ。変速とチェーンのスムーズな動きに重要なパーツなので、快適なサイクルライフを送るにはプーリーのメンテナンスも重要です。
ホイール(車輪)各部の名称
リム
タイヤが装着される部分。リムの高さや軽さはハブの回転・タイヤの性能と合わせて走行性能や操作性に大きく影響するため、ホイールを交換するだけで自転車全体の性能を変えることができます。
ハブ
ホイールの中心部分。中をクイックリリースもしくはスルーアクスルが貫通して、ここを軸にホイール全体が回転するため、ハブの性能は走行性能に直結する重要な部分。
スポーク・ニップル
ハブとリムをつなぐスポークは、本数や太さ、素材、結合方法などによって乗り味が異なります。また走行し続けるとスポークの張り(テンション)のバランスが崩れてリムが振れてしまうこともあるので、リムとの結合部分根本のニップルと呼ばれる部分を専用工具で調整する“振れ取り”という作業を行います(ホイールの種類によってはリム側にニップルがない構造のモデルもあります)。
クイックリリース/スルーアクスル
ホイールのハブ中央部を貫通し、ホイールを自転車フレームに固定するパーツ。これまでスポーツバイクにはクイックリリースと呼ばれる固定棒が広く装着されてきましたが、最近ではディスクブレーキモデルを中心に、より固定力が高いスルーアクスルと呼ばれるタイプの採用が進んでいます。